出会い

7/16
前へ
/822ページ
次へ
  体育館を出て行く女子生徒達は興奮覚めやらぬまま、はしゃいでいた。   「もうほんと孝太郎様、カッコ良過ぎ!」   「私、孝太郎様と衛土様に会いたくて、この学校受けたんだよね」   「私もだよー!」   (そんな理由で大事な進路決めていいんかいッ!)と、ツッコミたくなった。   レイコ「あの時とはまるで別人みたいだった……」   ミヤ「……うん」   はしゃぐ女子生徒達とは裏腹に悶々としたモノが残る私達は、会長の事が気になりながらも教室へと戻って行った。     「お疲れさん。さすが孝太郎だな」   コウ「あぁー、マジだりぃ」   生徒会役員の一人、書記の梅川 亮(うめかわ あきら)に孝太郎はダルそうに伸びをして言う。   コウ「ハチ、お前もうちょいまともな挨拶しろよ」   エイト「…………」   孝太郎に“ハチ”と呼ばれていたのは、副会長の衛土だった。   なぜ“ハチ”なのかは単純。 衛土(eight)=8(ハチ)。 その方が呼びやすいかららしいが、衛土をそう呼ぶ者はよほど仲の良い者だけらしい。    
/822ページ

最初のコメントを投稿しよう!

132022人が本棚に入れています
本棚に追加