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体育館を出て行く女子生徒達は興奮覚めやらぬまま、はしゃいでいた。
「もうほんと孝太郎様、カッコ良過ぎ!」
「私、孝太郎様と衛土様に会いたくて、この学校受けたんだよね」
「私もだよー!」
(そんな理由で大事な進路決めていいんかいッ!)と、ツッコミたくなった。
レイコ「あの時とはまるで別人みたいだった……」
ミヤ「……うん」
はしゃぐ女子生徒達とは裏腹に悶々としたモノが残る私達は、会長の事が気になりながらも教室へと戻って行った。
「お疲れさん。さすが孝太郎だな」
コウ「あぁー、マジだりぃ」
生徒会役員の一人、書記の梅川 亮(うめかわ あきら)に孝太郎はダルそうに伸びをして言う。
コウ「ハチ、お前もうちょいまともな挨拶しろよ」
エイト「…………」
孝太郎に“ハチ”と呼ばれていたのは、副会長の衛土だった。
なぜ“ハチ”なのかは単純。
衛土(eight)=8(ハチ)。
その方が呼びやすいかららしいが、衛土をそう呼ぶ者はよほど仲の良い者だけらしい。
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