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放課後、麗子と下駄箱で靴を履き替えようとしていたら、不意に声を掛けられた。
「園田 麗子さんと大河 美弥さんですね。少しお時間を頂けますか?」
あれ? この人どこかで見たような……。
思い出せず、顔をよく見てみると、目鼻立ちはハッキリしていて、なかなか整った顔の持ち主である。
「取って食べたりしませんから、ついて来て下さい」
返事を聞かずに、スタスタと歩き出したその人を追った。
麗子が呼び出されるなら告白とか、察しはつくけど……私まで呼び出されるなんて、なんでだろ?
疑問に思いながらもついて行くと、生徒会室と書かれた部屋の前にくる。
えっ? 生徒会室?
ガチャッ!
ドアを開け、私達を中へ誘う。
「二人を連れて来ましたよ。では私は用事がありますので、ここで失礼します」
中にいた人はこちらを振り返らず、軽く手を振る。
それを確認すると、私達を連れて来た男は出て行った。
ミヤ「あの……なんで私達呼ばれたんですか?」
質問をすると、男はやっとこちらを振り返った。
副会長だ。
エイト「…孝太郎が二人を呼んだけど、今居ないから待ってて」
近くで見ると、副会長はかなりの美形で、やはり背が高くスタイルも良い。
きめ細かな肌に色素の薄い瞳とサラサラの栗毛。どこか穏やかだけど近寄りがたい雰囲気を醸し出している。
副会長は私達にソファに座るよう促すと、また後ろを向いて何かをし始めた。
しばらくして副会長が立ち上がり、奥のもう一つあるドアの中に消えて行った。
生徒会室はかなり立派なもので、ソファもフカフカで広く、本棚にはびっしりと本やファイルが並んでいる。
辺りを見回していると、副会長が戻って来た。
お茶とお茶菓子が私達の前に置かれる。
エイト「…それ飲んでて」
そう言うと、また後ろを向き何かをし始める。
お茶とお茶菓子を頂きながら、待つ事数十分――
ガチャッ!
ドアが開き、会長が現れた。
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