132022人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女は私の前まで来ると、“園田 麗子”と書かれた私の一つ前の椅子に腰掛けた。
彼女からは甘い香水の香がして思わず、「……良い香り」と呟いてしまった。
その言葉に園田 麗子は振り返る。
レイコ「この香水お気に入りなんだ。私は園田 麗子(ソノダ レイコ)、よろしくね。名前なんて言うの?」
振り返った麗子は、きめ細かな色白の肌に長いまつげ、意思の強そうなキリッとしたやや切れ長の大きい目、スッとした鼻筋にプルッとした唇。
顔もめちゃくちゃ小さくて、あまりにも整った容姿に思わず見惚れてしまう。
何も喋らない私を見て微笑みながら首を傾げる麗子の仕草にハッとして、「わ……私は大河 美弥(タイガ ミヤ)。よろしくね」と微笑み返す。
周りの男子のみならず、女子までも麗子に釘付けだったため、麗子と話してる私にもその視線が降り注がれる。
麗子はそんな視線を気にも留めていない。
レイコ「美弥って猫みたいで可愛い名前だね。美弥って呼んでも良い?」
ミヤ「う……うん」
返事をするのが精一杯だった。
こんな美少女に話しかけられた事も無ければ、こんなに注目された事もない。
レイコ「私の事も“麗子”って呼んでね」
殺人的な笑顔を向けて言う。
「やべー! マジ可愛過ぎ!」
「俺にも微笑んでー!」
あちこちからそんな声が聞こえてくる。
間もなくして式は始まり、式の間中、麗子を見る男子達の視線は凄かった。
最初のコメントを投稿しよう!