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麗子は嬉しそうに満面の笑みを浮かべた。
その姿を見た麗子に声を掛けようとしていた人達は、麗子の美しさに声を掛け忘れ、私達が去って行くのを見送っていた。
学校を出る間も出た後も麗子への視線の雨は降り注がれる。
こんなに見られてたら私なら耐えられないだろうな……美人も大変だ。
そんな事を思いながら麗子を見ると、麗子は嬉しそうにしている。
レイコ「美弥ー、入学祝いにプリクラ撮ろう!」
私の腕を引っ張ってゲーセンの中に入って行き、プリクラを撮る。
出来上がったプリクラを見ると、顔のデカさが違い過ぎるし、改めて麗子の美しさにプリクラをしばらく見つめていた。
レイコ「美弥ー!」
麗子がいきなり抱き付いてきた。
ミヤ「れ……麗子? どうしたの?」
抱き付かれたまま尋ねると、麗子は少し悲しい瞳をした。
レイコ「なんか嬉しくてさ……私、友達とプリクラ撮るの、実は……初めてなんだ。皆なんでか嫌がるんだよね……だから高校入ったら絶対撮りたかったんだ」
ミヤ「そうだったんだ……よしッ! これからいっぱい撮ろう!」
そう言った私をますます強く抱き締め、麗子は照れながら嬉しそうにはにかんだ。
その後、私達は五回もプリクラを撮った。
麗子はプリクラを見つめながら呟く。
レイコ「美弥と仲良くなれてほんと良かった……美弥にも嫌がられたらどうしようって思ったから……」
ミヤ「嫌がるわけないじゃん! そりゃ最初プリクラ見た時、顔のデカさの違いにちょっと凹んだけど……麗子と仲良くなれてほんとに嬉しいんだから!」
レイコ「……ありがとう」
麗子は外見に劣らないほど、中身も可愛いくて良い子だと思い、私達はそれから、他愛ない話をしながら帰って行った。
部屋のベットに寝転がりながら、今日の出来事を思い返す。
入学して早々あんな綺麗で良い子と友達になれて、これからの学校生活が楽しくなりそうだ。
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