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私はけっこう早起きで、教室に着いても生徒がまだほとんど来ていない。
「大河さん」
いきなり話し掛けられて、声のした方へ振り返ると、そこにはクラスメイトの……名前分かんないや……女子が立っていた。
ナナ「私、宮野 那奈(ミヤノ ナナ)って言うのよろしくね。大河さんって園田さんと仲良いよね? 同じ中学だったの?」
ミヤ「よろしく。違うよ。昨日仲良くなったんだ」
ナナ「そっかー。なら、ひとつ忠告してあげる。あの子と仲良くならない方が良いよ。仲良くなると好きな子も彼氏も全部取られちゃうから」
突然の忠告に理解が出来ず、首を傾げる。
ナナ「あの容姿でしょ。紹介とかした日にはもう男どもは園田さんに惚れてるって、彼氏盗られたって逆恨みしてる子けっこう多いんだよね」
それって別に麗子悪くないじゃん……。
ミヤ「忠告どうも! だからって、私は麗子と友達やめる気ないから」
笑顔を浮かべながらも強い口調で言うと、迫力負けしたのか、宮野さんは何かブツブツ言いながら自分の席へと戻って行った。
しばらくすると廊下が騒がしくなった。
ガラッ!
レイコ「美弥ー、おはよう!」
笑顔でこちらに向かって来る麗子に挨拶をしながら、廊下の騒がしさは麗子が原因かと納得した。
「園田さん、おはよう!」
1人の男子が声をかけた事を機に、次々と男子達は麗子に声を掛けてくる。
麗子はうんざりした顔で冷たく挨拶をすると、こっちに向き直り、「美弥、昨日のドラマ見た?」と、何事も無かったように話し始めた。
その様子を見て、男子達は声を掛けるのをやめ、散り散りに席へと戻っていき、女子達はこちらを見ながらひそひそと何か話をしている。
チャイムが鳴り、担任が来た。
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