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「今日はクラブや委員会の紹介があるから、HRが終わったら体育館に移動するように」
HRが終わり、麗子と体育館に向かう途中、中庭を見ると草の茂みから足が見えた。
誰か寝てるのかな?
あっ!?
でももし倒れてたら大変だ!
急に走り出した私に、慌てて麗子が追い掛けて来る。
レイコ「美弥ー? 急にどうしたの?」
ミヤ「あの茂みから足が見えたんだ。ひょっとしたら誰か倒れてるのかも……」
レイコ「えぇー!? ほんとだ!」
慌てて茂みに入り、倒れてる人に呼び掛けた。
ミヤ「大丈夫ですか!?」
麗子も声を掛けながら、その人の肩を軽く叩く。
「……う……ん」
反応がある。
見た所どこも怪我をしていないようで、しばらく声を掛け続ける。
ガバッ!!
倒れてた人は急に側にいた麗子を抱き締めた。
麗子はバランスを崩し、その人の上に倒れる。
レイコ「キャッ!」
麗子の声にその人は目を開けた。
「……誰だ? 俺の寝込み襲うなんて良い度胸してんじゃん」
倒れてた人は麗子の両肩を掴み、自分の顔の近くにグイッと麗子を持ち上げ、麗子と見つめ合う。
その状況を唖然と見てると……って見てる場合じゃない!
麗子が襲われる!
ミヤ「麗子から離れて下さい! あなたが倒れてると思って、声を掛けただけです」
男はこちらを一瞬睨み、麗子に視線を戻す。
「……あんた、一年の園田 麗子だろ?」
レイコ「そうですけど……」
麗子は男から離れようと身を捩るが、男は麗子をしっかり掴んだまま、器用に起き上がった。
「あんた、噂どおりの美人だな」
男はそう言うと、麗子の顔に自分の顔を近付け、唇に触れる。
レイコ「んッ!」
男は満足気に麗子から離れると、麗子を解放した。
バチンッ!!
麗子の痛烈な平手打ちが男の頬に見事にあたった。
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