旅行

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  エイト「…寒い……」   体を丸めたまま、ブルッと震える衛土先輩を見て、駆け寄る。   ミヤ「大丈夫ですか? ひょっとして風邪引いたんじゃ?」   室内はそれほど寒くない。 適温と言える室温だ。   おでこに手をあてようと伸ばした腕を引き寄せられ、今度は私が肌掛けのように衛土先輩の上に乗っかった。   ミヤ「えっ衛土先輩!?」   エイト「…暖かい……」   冷たい手に、ギュッと心臓を掴まれたみたいだ。   レイコ「ちょっと!? 衛土先輩、どさくさにまぎれて何やってるんですか!?」   麗子は声を張り上げ、衛土先輩の腕を引き剥がそうとする。   エイト「…みゃーは暖かいね。」   そんな麗子にはお構いなしの衛土先輩。   レイコ「もう!! そんなに寒いならこのブランケットにでも包まってれば良いでしょ!!」   一体どこからそのブランケットを……?   先程の肌掛けは床に寂しく放置されたままだ。   麗子は今にも衛土先輩の顔にブランケットを放そうとしていたが、孝太郎先輩がそのブランケットを掴んで、呆れ顔で言った。   コウ「バカな事ばっかやってると、聡達が帰って来るだろ? さっさと準備すんぞ。」   麗子は不満気な表情をしていたが、渋々孝太郎先輩の指示に従った。   ミヤ「えっ衛土先輩、熱は無さそうですね。」   エイト「…うん。」   衛土先輩は何事もなかったように、準備に取り掛かる。   まだ私の心臓はドクドクといつもより活発に脈打っていた。    
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