【一人称下の第三者の単独描写】

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基本的には一人称は作中で統一しましょう。本来は一人称の利点を生かすためには、作中これを貫かねばなりません。   でも書きたい時ありますよね。 実は描写が許される場面があります。それは作品の冒頭部分です。  ここでは章分けして、主人公以外の重要人物に事件を起こさせることが可能です。 その時、かならず三人称で書いて下さい。一人称を使うと、主人公と重要人物の二人の主役のいる作品(二人を同量の文章で描く。例えばライバル同士など)になってしまいます。   最初からそのつもりで書くのならいいのですが、1回だけ描写したいのであれば、主人公が誰であるか混乱させない為にも三人称で書いて下さい。   三人称描写はあまり長くない方が好ましいです。プロローグと考え、通常の章の1/3程度が良いと思います。 それから、重要人物の心の声は書かない方が◎。行動でそれを読者に伝えるのがベストです。 例えば、主人公の車の前で、煙草を投げ捨て踏みにじるとか、できるだけ行動描写、情景描写で重要人物の抱く感情を書くと良いと思います。   第三者描写にはもう一つ案があります。 それは主人公の語りによる重要人物の描写です。 ただしこれは、章のラストに余韻的に付ける文章であり、数行の文章の中に入れねばなりません。 例えばこんな感じ。 ------<例文>-----   ~したのだった。(事件の発生する直前の章内容の終わり) その時の僕は知らなかった。 僕を憎むアイツが起こした火事が、僕の背後に迫っていることに。 アイツがどんな気持ちで火を付けたのか、その時の僕は気づきもしなかったのだった。 (章の終わり)   (次の章…ここでアイツの起こした事件が発覚する内容)   ------------------- こうすることで、重要人物の描写が可能です。文面を工夫すれば、もう少し詳しい描写も可能だと思います。   これは冒頭で事件を描写できない場合に便利な方法です。 ただし、何度も使うべきではないので1作品1回。作品が10あるなら、その内の3つ位にしか使わない方が無難です。   事件をより詳しく、重要人物の立場に立って描きたい場合は前者、物語の途中にポイント的に描きたい場合は後者を使って下さい。
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