44皿目 お酒は20歳を越えてから

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「日本酒とビールと……はい、これであってます」  駅前の酒屋。  店の前に止めている車の横で浜村省吾と酒屋の主人が並んで話しをしていた。省吾は手元にある注文した酒を書いた紙と車に積み込む酒を確認すると、酒屋の主人に笑いかけた。  それから代金を支払い、酒屋の主人と二、三、言葉を交わすと省吾は車の運転席へと乗り込んだ。 「それでは、お気をつけて」  窓の外で肉付きのよい頬を緩めて笑いかけてくる酒屋の主人に省吾は小さく頭を下げると、シートベルトをしてエンジンをかけた。視線を前に向けたままサイドブレーキに手をかけたとき、助手席側の窓を叩く音がした。省吾は不思議そうな表情をすると、助手席側へと視線を向けた。 「由貴くん……?」  視線の先には助手席側の窓を叩きながら、にんまりと笑っている由貴がいた。省吾が思いもしない人物の登場に目を丸くして驚いていると、由貴が口を開いた。 「省吾さーん、窓開けてください!」 「え、あ、ああ」  省吾は突然のことに動揺しながら、由貴に言われるがままに助手席側の窓を開けた。 「どーも!」 「え、どうしてこんなところに? 藤嶋くんも……」  まさか駅にいるとは思わなかった由貴と竜の登場に省吾が困惑していると、由貴の後ろにいた竜がヘラヘラ笑っている由貴を横にどけて、省吾に話しかけた。
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