8皿目 水は大切に

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「俺はここの村の奴じゃねえよ。東京から遊びに来てんの」 「とうきょう?」  由貴は裕斗の言葉ににんまりと笑うと頷いた。  最初はどこか怯えたように顔を強張らせていた裕斗であったが、親しみやすい笑みを浮かべる由貴に口元を緩めて笑いかけるようになっていた。  由貴は立ち上がると、裕斗に右手を差し出した。 「裕斗も一緒に遊ぼうぜ。こんなとこで一人で居てもつまんねえだろ?」 「え、でも……」  視線を下に逸らして戸惑っている裕斗の左手を由貴は強引に取ると、にんまりと笑いかけた。 「だーいじょうぶ! 仲間はずれなんて、この由貴ちゃんが許さねえから! な、行こうぜ」 「……うん」  裕斗は一瞬と惑った表情を見せたが、真っ直ぐ裕斗を見て明るく笑いかけてくる由貴に、小さく笑うと首を縦に振った。  由貴は裕斗が頷いたのに満足げに笑うと、裕斗の手を引いて竜達の下へと駆け出した。 「竜ー! 一名様ご案内でーす!」 「由貴……お前どっから攫ってきた」 「攫ってねえし!」
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