17皿目 ついやってしまう行動パート2

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「バラバラに探しても、何かあったときに対応できぬ。ここは何人かで組になって、手分けして探そう。まずは、わしと拓郎、そして、太一は神社周辺を。他の者は――」  修造は、名前を呼んで三人一組に分けて、探す場所を指定し始めた。由貴と竜はその様子を清治の後ろでじっと見つめていた。  男達の顔には緊迫した表情が張り付いている。修造は清治達以外を全て組に分け終わると、清治達に視線を向けた。 「清治は省吾とそこの二人を連れて、広場の西側にある森を探してくれ。懐中電灯はプレハブの中に入っているからそこから取り出して使ってくれ。美里さんは、家に戻って他の子供たちがちゃんと家にいるか確認しとくれ」 「はい」 「わかりました……」  清治が修造の言葉に返事したのを確認すると、男達はそれぞれ自分達の任された場所へと散って行った。  数分後、広場に残ったのは、省吾と美里の浜村夫妻と清治、由貴、竜の五人だけになってしまった。  清治はプレハブ倉庫の中に入ると、懐中電灯を三本取り出し、由貴と竜に手渡した。省吾はすでに懐中電灯を照らしていた。 「それじゃあ、行きましょうか」 「そうだな……美里、家のことは頼んだぞ」 「ええ、わかったわ。あなたも気をつけて」  省吾は美里にそういうと美里は真剣な顔をして頷いた。  それから、清治達四人は懐中電灯の明りを頼りに広場を後にした。
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