四人の若者【第1章】

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《やっぱり君喋れるんだね?》 天馬が強い口調で聞く。 白馬は無視しようとしたが、天馬の真っ直ぐで純粋な目を見て、諦めたように口を開いた。 《背中に乗れ‼》 《話はそれからだ。》 天馬は大人しく言う事を聞いた。 そしてゆっくりと話始めた。 《確かに…今までお前に話しかけてたのは俺だ。》 白馬は認めた。 《喋ったと言っても、言葉を発したわけではない。》 天馬は混乱した。 天馬にははっきり声として聞こえてるからである。 天馬が質問をなげかけようとしたが、それを遮るように白馬は話を続けた。 《お前に聞こえている俺の声は、俺の心だ。》 天馬はますます混乱した。 《お前は純粋な目をしている。》 《純粋な心を持っている。》 天馬は黙って話を聞く。 《純粋な目と心を持つ者は、自分の心を開けば動物の心の声が聞こえる。》 それを聞いた天馬はすぐさま反論した。 《じゃーなんで最初は聞こえなかったの?》 白馬は答える。 《お前は最初心を閉ざしていたからだ。》 《俺の脚の怪我を見つけるまで、お前は俺になんの関心もなかったんじゃないか?》 天馬は答えれなかった。 事実そうだったから。 白馬は続ける。 《お前は俺に手当をしている時、話しかけてきたよな?》 《うん》 《そこで初めてお前は俺に心を開いたんだ》 天馬は納得した。 そしてさらに質問をした…
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