四人の若者【第1章】

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【二人目】 名前は… 【水島 楓香〈ミズシマ フウカ〉】 【天馬】と同じく北海道生まれ北海道育ちである。 【楓香】は新冠町生まれで、父はとある牧場で仕事をしている。 ここまではなんら変わりのない普通の女の子である。 ある障害を除いては… 【楓香】は目と耳に障害があるのだ。 【楓香】の母親はすでに亡くなっている。 【楓香】を産んだ時に死んでしまったのだ。 母は【楓香】がお腹にいるときから病弱で仕方なく薬を服用していた。 その薬の影響で、【楓香】の左耳はほとんど聞こえてない状態なのだ。 そして七歳の春、左耳が聞こえない【楓香】を悲劇が襲う。 いつもの用に父の仕事を見ながら牧場で馬と戯れる楓香。 【楓香】はとても賢く、小さいながらも父や父の仕事場の仲間の仕事を見て、馬の扱い方を知っているのである。 【楓香】はけして馬を驚かせたり、怖がらせたり、怒らせたりしない。 それどころか、怖がってる馬も、怒ってる馬も、【楓香】が世話をすると瞬く間に落ち着きを取り戻す程だった。 【楓香】はそれを普通の事のようにやってる。 周りは【楓香】に余計な感覚を持たせないように、何も言わなかったが、紛れも無く素晴らしい能力だと確信していた。 その確信が悲劇を起こすことになる…
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