四人の若者【第1章】

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手術から一週間傷の具合も大分落ち着き、【楓香】の包帯は取られた。 しかし、【楓香】は言う。 《まだ包帯付いてるよ?》 父は首を傾げて言う。 《何言ってるんだ?》 《もう包帯は全部取れてるよ。》 【楓香】は父の顔が凍り付く一言を言う。 《え?まだ付いてるよ。》 《だって【楓香】右側見えないもん。》 【楓香】は失明していた。 父はすぐさま医者を呼び検査してもらった。 医者は首を横に振り、一言、 《残念ですが…》 父は絶望に浸る。 そして【楓香】にそれを伝えるか伝えないか悩む。 父がしばらく考えて結論をだした。 《【楓香】に伝える‼》 決心した父は【楓香】に全てを話した。 黙って聞く【楓香】。 父が全てを話終えると、【楓香】は笑って答えた。 《大丈夫😃》 《左目…😅》 《ある…から…😢》 【楓香】は泣いた。 父に心配かけまいと必死で笑顔を作ろうとするが、涙が止まらない。 父は、けなげに歯をくしいばり、涙をこらえようとする【楓香】を抱きしめ言った。 《無理しなくていいから。》 《父さんがついてるから》 【楓香】はその言葉で一時は泣き止んだ。 しかし父が離れ一人になると【楓香】は泣き続けた。 それ以降【楓香】は笑わなくなってしまった。 ある馬と出会うまでは…
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