四人の若者【第1章】

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【一人目】 名前は… 【火野 天馬〈ヒノ テンマ〉】 北海道早来町にある牧場に生まれ、小さい頃からサラブレッドに接して育ってきた。 天馬は九歳の時不思議な体験をする。 普段は絶対に行くことのない森に一人で入って行ってしまった。 その森は地元の人の間では有名な迷いの森。 コンパスも役にたたない、目印無しでは絶対に戻って来られなくなる森だ。 しかし、【天馬】は何かに呼ばれてるかのように、一直線に森の奥へと向かっていく。 一時間ほど歩いた所で【天馬】は我にかえる。 しかし時既に遅し。 今どこにいるか、どこからきたかわからなくなっていた。 迷ってしまった【天馬】はあるものを探しに歩き回った。 そして、しばらくすると遠くに小川を見つけた。 【天馬】は小川を見て首をかしげて言った。 《あれ?…変だなぁ?…こんな小川見たことも聞いたこともがないぞ》 【天馬】は昔何度か父とこの森に入ったことがある。 牧場から脱走した馬を捜す為だ。 その時父から迷った時の為に聞いた話しがあった。 《この森には川が一つしかない。》 《他には小さい川も大きい川もない。》 《迷ったらまずこの川を探せ。》 という話だ。 その話しを思い出した【天馬】は混乱した。 しかし、 《助かる為に》 と思い【天馬】はその小川に近づいた。
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