言葉の欠片

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線と線が繋ぎ合わさった様に僕達もまたひとつになれた気がした。 自分がこんなにも誰かの為に頑張れる事が幸せだった。 人は支え合って生きていくから…。 しばらくして、僕達は互いの想いをノートに綴った。 普段は言えない事。 君が思っている事。 僕が思った事。 些細なやり取りもこのノートに残されている。 ひとつ、またひとつとノートのページが埋まっていく度、僕達は嬉しかった。 君の書いた文字は丸くて、とても女の子らしかった。 このノートを読む度、君をいつまでも感じる事ができた。 数ある言葉を選んでは君を想って筆を取った。 大切なのは、どんな綺麗な言葉よりも、素直な気持ちを伝えることなんだ。ありのままの自分を見せる事は恥ずかしい事じゃない。 恥ずかしいのは自分を隠そうとする弱い自分だから。 誰かを本気で好きになったなら、答えはすぐ近くにあるのかもしれません。 あの頃の君を思い出しては… 何度も破り捨てたページさえ… 愛おしくて、切なくて… ふたりで書いた交換日記… 今は静かに眠っているんだね… いつかまた、そのページを埋める日がくるまで…
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