..Ⅱ.. Pluie-プリュイ-

4/6
前へ
/371ページ
次へ
初めて「Pluie」に行ったあの日の帰り。 結衣と色々な話をしながら帰ったんだけど。 その時、こんなコトを言われていた。 「ねぇ凛音。アンタさ、担当叶多クンにすれば?」 「...えぇ!?いきなり何言ってんの!!私は元々稜クンと話したくて行ったんだよ」 「別に最初からその人にする義務ないじゃん!!凄い楽しそうだったよ?」 「ま、まぁ確かに楽しかったけど...」 「でしょ!?だって入った時凄い硬直状態だった凛音が、叶多クンと話してる時だけやたら身ぃ乗り出して話してたからねー」 結衣がニヤニヤしながら私の顔を覗き込んできた。 「や、ほら、同い年だったし!!何か凄い...楽しかった...けど」 「けど?」 「あ゙ーもう何でもないッ!!」 急に恥ずかしくなって話を遮った。 結衣が煙草に火を付け、煙をゆっくり吐きながら言った。 「楽しければいいんじゃない?だって金払ってんのはこっちなんだしさ。楽しんだもの勝ちっしょ」 「うん...そうなんだよね」 「うん、楽しめ!!」 そう言って、結衣は私の頭をくしゃくしゃっと撫でてくれた。 結衣のこうゆうサバサバしたところ、私も見習いたいと思った。 「...やっぱり会いたい」 思わず出た言葉。 周りに男のコ達がいたコトもあって。 やたら気を遣う性分の私は、「今日は叶多クンいないの?」の一言を言えずにいた。 意を決して私が取った行動は。 目の前にいる結衣にメールで伝えて、それを景に伝えてもらうコトだった。 ...今思うと非常にもどかしい行動だったと思う。 早速メール作成。 “今日叶多クンいないのかなぁ?” 直ぐにテーブルの上で結衣の携帯電話が鳴った。 内容を読んだ結衣は、景に何やら耳打ちしてて。 その後、景は「ちょっと待ってて」と言い残して席を離れていった。 “今景に確認しに行ってもらったから待ってな。” 結衣からのメール。 顔を上げると、目の前で結衣がニコッと笑った。 周りで精一杯楽しませてくれようとしてくれている男のコ達に気付かれないように、「ありがと」と口パクで伝えた。
/371ページ

最初のコメントを投稿しよう!

822人が本棚に入れています
本棚に追加