..Ⅴ.. 閉ざされた心

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暑さにやられていた私は、少し苛々していた。 体がダルい...。 ベッドの上でゴロゴロしていると、おにぃが仕事から帰ってきた。 「ただいま~」 「お帰り」 おにぃは部屋に入って来ると、そのまま顔を近付けて。 「お帰りのチュー」を迫ってきた。 体調が優れない所為もあって。 「キモチ悪いからやめて」 拒否した。 もうこの頃には感情すらなくなっていて、おにぃといるコトが苦痛で仕方なかった。 ─コレモ 自分デ 選ンダ道...─ 「何だよ~」 口を尖らせてブーブー不満を訴えるおにぃに、嫌悪感がより一層増した。 ...死んでしまえ。 本気でそう思った。 「うぁ~あっちぃ~」 おにぃは着ていた服をその場に脱ぎ捨てた。 「ちょっと...それちゃんとあっち持ってって」 「わかってるよ!!」 「いつもやらないでしょ!!何がわかってんのよ」 「はぁ~...疲れてんのに」 「私の知ったこっちゃない。疲れてよーが何だろーがやるコトやって」 「はいはい」 いちいち態度が腹立つ。 仕事量は違えど仕事をしているのは私も一緒なだけに、家事を手伝おうとすらしないおにぃに嫌気が差していた。 これ以上ストレス溜め込みたくない...。 もう話したくもなくなって無視するコトにした。
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