..Ⅲ.. 想いの過程

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「お疲れぇ。...どしたの?」 “お疲れ。凛音...あのさ...” 結衣が言葉を濁した。 何か、嫌な予感がした。 「ん?」 なるべく平静を装い、先を促す。 “景が...” ドクンッ 心臓がやたら早く波打つ。 「景が...どうしたの?」 “.....................” 「...結衣?」 “景がね...。「Pluie」辞めるって...” 「...えっ!?ちょ、ちょっと待って、どうゆうコト!?」 電話越しに聞こえてきた言葉を理解するのに時間がかかった。 “何かね...今景と電話してたんだけどさ...” 結衣は軽く溜め息を吐きながら説明してくれた。 “何かさ...。景、盗みの濡れ衣着せられたんだってよ...” 思い掛けない言葉。 もう私の頭の中は真っ白になっていた。 「...え...?ぬ、盗み...?な、何...何で?」 “...この前うちらが行った時あるじゃん?あのちょっと前に、「Pluie」の酒蔵で盗難事件があったんだって...” 「酒蔵で?...ってコトは盗まれたのは...」 “そう、お酒” 不謹慎ながら、少し気が抜けた。 お金とかの金品類だと思っていたから。 「お酒...かぁ...」 でも、盗難があったコトに変わりはない。 “でさ、その盗難があったってわかった時...景と十夜クンってコが酒蔵に2人でいたんだって...。” 「2人いたの!?じゃあ何で景だけ...!!」 思わず早口でまくし立てている自分がいた。 そんな私とは反対に、結衣は異様な程落ち着いていた。
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