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“そうだよね...。落ち着いたらそっち帰るしさ。とりあえず行くコトにする...”
「そだよ!!今は体大事にして?」
“うん、わかった。ありがと...。多分、週末に出発になるだろうから。凛音仕事でしょ?挨拶だけしとこうと思ってさ”
「そっか。わざわざありがとね。元気な赤ちゃん産んでよー?楽しみにしてるね!!」
“うん!!じゃあ...元気でね。叶多クンとの進展楽しみにしてる”
「それはいいよ...(笑)。結衣も...元気でね」
“あははっ!!うん、ありがと。じゃあ、またね”
「うん、ばいばい」
ピッ
良かった、ちゃんと明るく言えた。
怪しまれなかったよね...。
膝の上に涙が落ちた。
幸せになって。
今までツラい想いした分、結衣には幸せになる権利があるの。
頼ってばっかでゴメンね。
......有難う。
景の辞職。
結衣の結婚と妊娠...そして別れ。
私が叶多への想いに気付くまでに失ったもの。
でもこれがなかったら。
今でも私の心の中で。
叶多への想いはいつまでもくすぶり続けてた。
「好き」...。
「もう恋愛なんかしない」って決めた2年前から忘れていた感情。
大切なもの。
失って苦しくても。
叶多への想いだけは消えなかった...。
結衣...景...。
気付かせてくれて有難う。
もうあんな恋愛だけは2度と繰り返さないから。
初めて「彼氏」というものができた6年前...。
15歳の時から、「絶望の恋愛」に向けて歯車は回りだしていた。
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