..Ⅲ.. 想いの過程

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“そうだよね...。落ち着いたらそっち帰るしさ。とりあえず行くコトにする...” 「そだよ!!今は体大事にして?」 “うん、わかった。ありがと...。多分、週末に出発になるだろうから。凛音仕事でしょ?挨拶だけしとこうと思ってさ” 「そっか。わざわざありがとね。元気な赤ちゃん産んでよー?楽しみにしてるね!!」 “うん!!じゃあ...元気でね。叶多クンとの進展楽しみにしてる” 「それはいいよ...(笑)。結衣も...元気でね」 “あははっ!!うん、ありがと。じゃあ、またね” 「うん、ばいばい」 ピッ 良かった、ちゃんと明るく言えた。 怪しまれなかったよね...。 膝の上に涙が落ちた。 幸せになって。 今までツラい想いした分、結衣には幸せになる権利があるの。 頼ってばっかでゴメンね。 ......有難う。 景の辞職。 結衣の結婚と妊娠...そして別れ。 私が叶多への想いに気付くまでに失ったもの。 でもこれがなかったら。 今でも私の心の中で。 叶多への想いはいつまでもくすぶり続けてた。 「好き」...。 「もう恋愛なんかしない」って決めた2年前から忘れていた感情。 大切なもの。 失って苦しくても。 叶多への想いだけは消えなかった...。 結衣...景...。 気付かせてくれて有難う。 もうあんな恋愛だけは2度と繰り返さないから。 初めて「彼氏」というものができた6年前...。 15歳の時から、「絶望の恋愛」に向けて歯車は回りだしていた。
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