..Ⅰ.. 暗闇の中の灯

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でも、楽しい時間はあっという間に過ぎるのがお約束。 ホントにあっという間に、CLOSEの時間になっていた。 お会計を済ませた頃。 新人だった叶多は、CLOSEの準備で席を離れていった。 「あとちょっとだけど最後まで楽しんでってね」 と言って。 結衣はお気に入りの男のコを指名して盛り上がってたから、私は1人黙って残ったカクテルを飲んでた。 ぽっかりと心に穴が空いたような感覚。 結衣の担当-景-が、気を遣って色々話し掛けてくれていたけど、内容は頭に入ってなかった。 叶多クン...かぁ...。 もう既に私の頭の中は、「叶多」でいっぱいになっていたから。 叶多...。 今でも私思うんだ。 初めて叶多と過ごしたあの時間...。 凄く幸せだったんだなって。 だってそうじゃなかったら、あの時凍ってた私の心に叶多は残らなかった。 よく少女漫画で見る、「笑顔」にときめくシーン...。 あんなの、絶対有り得ないって思ってた。 でも...。 叶多の「笑顔」につられて「笑顔」になれた私がここにいるんだから...。 「幸せ」だって思えたんだから...。 それはきっと「ときめき」だったんだって思ってもいいよね...? 間違いじゃなかったよね...? 間違いなんかじゃなかったって今でも信じてる...。
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