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でも、楽しい時間はあっという間に過ぎるのがお約束。
ホントにあっという間に、CLOSEの時間になっていた。
お会計を済ませた頃。
新人だった叶多は、CLOSEの準備で席を離れていった。
「あとちょっとだけど最後まで楽しんでってね」
と言って。
結衣はお気に入りの男のコを指名して盛り上がってたから、私は1人黙って残ったカクテルを飲んでた。
ぽっかりと心に穴が空いたような感覚。
結衣の担当-景-が、気を遣って色々話し掛けてくれていたけど、内容は頭に入ってなかった。
叶多クン...かぁ...。
もう既に私の頭の中は、「叶多」でいっぱいになっていたから。
叶多...。
今でも私思うんだ。
初めて叶多と過ごしたあの時間...。
凄く幸せだったんだなって。
だってそうじゃなかったら、あの時凍ってた私の心に叶多は残らなかった。
よく少女漫画で見る、「笑顔」にときめくシーン...。
あんなの、絶対有り得ないって思ってた。
でも...。
叶多の「笑顔」につられて「笑顔」になれた私がここにいるんだから...。
「幸せ」だって思えたんだから...。
それはきっと「ときめき」だったんだって思ってもいいよね...?
間違いじゃなかったよね...?
間違いなんかじゃなかったって今でも信じてる...。
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