1.出会い

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      …お母さんは、いつもああやって兄ちゃんばっかに構う。       口を開けば兄ちゃんの名前。 しまいには、 『夕杞は…』 『アンタも夕杞みたいに、』 『夕杞はね…』   兄ちゃんと比べられる始末。   酷いときは、はたかれた事もあった。   父さんに助けを求めようにも、父さんも兄ちゃん大好き人間。       兄ちゃんは嫌いじゃない、 けど冷たく接しちゃって、 こんな自分に嫌気がさす         日々繰り返される比較と、 言葉の暴力と、力で押さえ付ける行為   唯一の救いは学校と友達、 けど最近はその友達とも上手く接せられない。     暗い顔とか、 泣きそうな顔とか、 弱い部分を見せたくなくて、 少しずつ、距離を置いて居る。       …あたしに、安らぎが無くて、 消えかかって来て、 辛く て、 けど不思議と、涙は乾いてる。       あたしの安らぎ、 安心、笑顔、 全部戻るのはいつ?       誰かが連れ出してくれたら、 …そうやって、何度思っただろうか、        
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