双子の日常

4/13
前へ
/13ページ
次へ
「ねぇ、美愛ぁ?…まだ怒ってるのぉ?早く仲直りしよーよぉ~。」 今はお昼。あれから美愛は部屋に籠って出て来ない。 「お姉ちゃん、美愛が居ないと寂しいなぁ。」 子供をあやすように言う。…同い年なんだけどね。 「美愛ぁ……一緒にご飯食べよ?美愛の好きなミートスパゲティだよ!お姉ちゃん頑張ったんだよ?」 私の唯一の得意分野。 「……本当に?」 やっと美愛が返事してくれた。 「本当だよ。だから出て来て?」 「んー……今日、一緒に寝てくれたらいいよ。」 美愛は寂しがり屋。喧嘩した日は必ず言ってくる。 周りからしたら『高校生にもなって…』って感じなんだろうけど、親の暖かさを知らない私たちには安心する一時だ。 「いいよ。だから早く食べよ?冷めちゃうよー。」 扉が開いた。 「うぅ……」 美愛がもたれかかってくる。私は抱きしめるように美愛を包み、頭を撫でる。 「お姉ちゃん…ごめんね?」 「私もごめんね。これからは何でも話すようにするからね?」 仲直り。 私と美愛の喧嘩なんてこんな些細なもので、こんな呆気なく終わるものばかり。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

329人が本棚に入れています
本棚に追加