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「ねぇ、美愛ぁ?…まだ怒ってるのぉ?早く仲直りしよーよぉ~。」
今はお昼。あれから美愛は部屋に籠って出て来ない。
「お姉ちゃん、美愛が居ないと寂しいなぁ。」
子供をあやすように言う。…同い年なんだけどね。
「美愛ぁ……一緒にご飯食べよ?美愛の好きなミートスパゲティだよ!お姉ちゃん頑張ったんだよ?」
私の唯一の得意分野。
「……本当に?」
やっと美愛が返事してくれた。
「本当だよ。だから出て来て?」
「んー……今日、一緒に寝てくれたらいいよ。」
美愛は寂しがり屋。喧嘩した日は必ず言ってくる。
周りからしたら『高校生にもなって…』って感じなんだろうけど、親の暖かさを知らない私たちには安心する一時だ。
「いいよ。だから早く食べよ?冷めちゃうよー。」
扉が開いた。
「うぅ……」
美愛がもたれかかってくる。私は抱きしめるように美愛を包み、頭を撫でる。
「お姉ちゃん…ごめんね?」
「私もごめんね。これからは何でも話すようにするからね?」
仲直り。
私と美愛の喧嘩なんてこんな些細なもので、こんな呆気なく終わるものばかり。
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