G-GANG

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相手は流派(りゅうは)という ラッパーだった。 この時、俺は一回戦で勝利していた為、 調子に乗っていて、 それが後に仇となるとは 予想もしていなかった。 そして二回戦の先攻は俺になった。 二回戦も流れるトラックに乗り、 全力で相手をディスる。 ‐カーン! 鐘の音が鳴り、次は流派の番だ。 どうせまた俺が勝つ、と自信満々で 流派のラップを聞いた。 だが、相手のラップを聞いていると 俺は徐々に焦り始める。 だんだん嫌というほど 分かってきてしまったのだ。 自分と全く次元が違う事を。 そう思うと手には 自然と汗が出てきていた。 心の敗北、そして判定での敗北。 見事に俺は惨敗した。 勝負にも負け、心でも負け、 俺は激しく落ち込み、 何よりも自分の自信を 跡形もなく砕かれたのが致命傷だった。 俺は大会が終わった後に Jocoseに聞いて分かったが、 自分が二回戦でバトルした 流派というラッパーは MCバトルの大会を四連覇している スキルが高いラッパーだった。 「相手が悪かったな…。」 心の中は悔しさでいっぱいで 今にも怒り狂いそうになっていた。
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