自信

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「Yo、お前よりスキルが高い事を 今ここで証明してやるぜ。」 そう言うとバトルが始まった。 俺はいつも通りにラップを歌い、 相手をディスりまくる。 そして相手の番。 相手も俺をディスりまくり、 2バース目。 俺は1バースで馬鹿にされた事に 少し怒りながら歌った後、 相手も苛立ちを感じている様子で 2バースを歌っていた。 そして結果は俺の勝ち。 「きさんみたいな 素人やないったい!」 俺は最後にスキンヘッドの男に そう怒鳴り、クラブを出た。 俺は機嫌直しをする為に服屋に行き、 自分好みの服を買って店を出て、 煙草を吸いながら家に向かった。 帰りながらクラブであった 出来事を思い出す。 あのスキンヘッドの男のスキルは 流派のスキルとは程遠かった。 そのせいか勝利したのに 少しの満足感も得られなかった。 新しいアパートに着き、 玄関の鍵を開けて家の中に入り、 ベッドに横になった。 そして、白い天井を見つめながら ふと思った。 俺の敵は多い。
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