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現実から逃げるように夢を見た
深い深い底無しの闇。川なのか黒く波打ち嵐のように乱れていた。そんな闇に私が抵抗なく飲まれ波打つ度に少しずつ、少しずつ私の体が闇に引きずり込まれる
…あぁ、地獄なんだ。私は悪い子だから三途の川渡る前に地獄に来たんだ。
当たり前と言っちゃ当たり前。家族を困らせ友達だって迷惑をかけた。
私は要らない子。だから地獄に逝くのは当然な判断。仕方ない。仕方ないんだ…
し か た な い
また少し、また少しと沈んでいく
とうとう顔半分まで沈んだ。この世とはさよならだね
頭の中に色々と思い出が駆け巡る。
叱られた思い出
ほめられた思い出
友達と喧嘩した思い出
何気ない楽しい思い出
「………イヤ。イヤだ。まだ、死にたくない。死にたくないよ‥」
途端に死ぬのが怖くなって泣き出した。
もう私の声など誰にも聞こえない。全て沈んだのだから‥
暫くしてからだった。私の腕を誰かが掴んだのは
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