再来

5/6
前へ
/8ページ
次へ
現実から逃げるように夢を見た 深い深い底無しの闇。川なのか黒く波打ち嵐のように乱れていた。そんな闇に私が抵抗なく飲まれ波打つ度に少しずつ、少しずつ私の体が闇に引きずり込まれる …あぁ、地獄なんだ。私は悪い子だから三途の川渡る前に地獄に来たんだ。 当たり前と言っちゃ当たり前。家族を困らせ友達だって迷惑をかけた。 私は要らない子。だから地獄に逝くのは当然な判断。仕方ない。仕方ないんだ… し か た な い また少し、また少しと沈んでいく とうとう顔半分まで沈んだ。この世とはさよならだね 頭の中に色々と思い出が駆け巡る。 叱られた思い出 ほめられた思い出 友達と喧嘩した思い出 何気ない楽しい思い出 「………イヤ。イヤだ。まだ、死にたくない。死にたくないよ‥」 途端に死ぬのが怖くなって泣き出した。 もう私の声など誰にも聞こえない。全て沈んだのだから‥ 暫くしてからだった。私の腕を誰かが掴んだのは
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加