大切な人。

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朝、7時30分。 学生服に着替えた俺は、玄関のドアを開ける。 「行ってきまーす」 ベランダで洗濯物を干している母親にそう言って外に出た。 「……あ」 俺が外に出るのと同時にガチャッと玄関のドアが開く音がして視線を向ければ、隣の家の玄関から姿を現した1人の少年。 「はよ」 「…はよ」 無表情で返事を返す少年の名は、神崎 蓮。 今年の春に中学1年生になったお隣さん。 つまりは俺の幼馴染みだ。 「行こっか」 「…ん」 俺が笑みを浮かべて言うと、蓮も微かに笑みを浮かべて頷き、ゆっくりと歩き出す。 俺が通っている高校と蓮が通っている中学は隣合っているため、蓮が中学に上がってから学校へ一緒に通うのが日課になった。 茶髪にピアス、着崩した制服の俺は何処からどう見てもちょっと不良っぽい今時の高校生だが、今隣に居る蓮はもっと凄い。 髪は黒髪なんだけど、なんつーか…地位が凄い。 小学生ん時からこの島一帯を取り仕切ってるとか言ってたっけ。 つか島って…何処のヤクザだよ。 高校生や大人相手に余裕で殴り合いとかしてるし。 しかも無傷。  
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