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高校に入って、凄く仲良くなった先輩がいた。
橘 吉良。
サラサラで艶やかな黒髪、切れ長で凛々しくワイルドな眼、スラッとした長身で、モデルも顔負けするほど文句無しの美形だった。
そんな先輩が話しかけてくれるのが嬉しかった。
笑いかけてくれるのが嬉しかった。
当たり前のように、いつも傍に居てくれた。
それが凄く、嬉しかった。
気付いたら、先輩を好きになってた。
男同士なのに、とか思ったりもしたけど、好きなのは仕方ないと諦めた。
別に想いを伝えるつもりもなかったし、そんな勇気もなかったし。
先輩は来る者拒まず、去る者追わずの無類の女好き。
男の俺が相手にしてもらえるはずがない。
だから、ずっとこの想いを胸に秘めて墓まで持っていこうと決めた。
そうして日々を過ごしていた、そんなある日。
先輩にレイプされた。
夏休みに入る、一週間前の出来事だった───……。
先輩にレイプされてから、学校を休んだ。
会いたくなかった。
もしバッタリ先輩に会ってしまったらと思うと、怖くて行けなかった。
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