24人が本棚に入れています
本棚に追加
だけど、母親に今日くらいは学校に行けと言われて、渋々制服に着替える。
今日は終業式。
今日行けば、1ヶ月は先輩に会わずに済む。
拒絶反応を起こす体をなんとか宥めて、俺は学校へと向かった。
HRをして大掃除が終わり、後は終業式を残すのみとなった。
やっともうすぐ帰れると、体の力を抜いて体育館へと向かっていた、その時だった。
「あっれー?馨ちゃんじゃね?」
「あ、ホントだ。渡瀬じゃん」
「っ…」
ビクッと体が竦んだ。
振り向くと、先輩の友達が2人。
先輩の姿がない事に内心ホッとしつつ、先輩達に軽く挨拶をする。
「どーも」
「なぁ、馨ちゃん。ちょっと聞きたいんだけどさー」
「おい、やめとけって」
俺に何かを聞こうとする聡先輩の腕を掴んで竜也先輩が止める。
だけど聡先輩は「別にいーじゃん」と竜也先輩の手を振り払って俺の肩に手を回した。
「なぁ、ちょーっと聞いていい?」
「何すか?」
「気持ちよかった?」
「……え」
一瞬頭ん中が真っ白になって、何を言ってるのかわからなかった。
最初のコメントを投稿しよう!