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「え…」
それって…。
「好きだよ、お前が。ずっと言えなくてごめん」
涙が頬を伝うのがわかった。
止めようと思っても全然止まってくれなくて、まるで小さい子供のように泣きじゃくった。
先輩に抱き上げられて、手摺りを乗り越える。
先輩の安堵したような溜め息が聞こえたと思ったら、次の瞬間強く抱きしめられた。
「マジ、ちょー焦った…」
呟いた先輩の声がホントに安心したような声だったので、それだけ慌ててくれたんだと知り凄く嬉しくなった。
そっと、先輩の肩に顔を埋める。
「ヤられた時、すげー怖かったんだからな…」
「…うん、ごめん」
「ホントは最初から嫌われてて、だからあんな事されたんじゃないかって、すげー不安で…っ」
「ごめん」
「謝んなバカっ」
「ごめ…じゃねぇ、わかった」
謝るなと言ったのにまた謝ろうとしてしまった先輩が可笑しくて、クスッと笑みを洩らす。
「…やっと笑ったな」
優しくて低い声が耳に響いて、ゆっくりと顔を上げる。
それを見計らったように唇にキスされて、恥ずかしさに顔が熱くなった。
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