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「俺で良ければ話聞くぜ?」
背もたれを抱きかかえるようにして前の席に座った山本に頭を撫でられて、俺は素直に口を開く。
「……ヒバリさんって、何処までも自由だよね」
「は?」
何を今更。
そう言いたげな顔をした山本と目が合う。
「ヒバリさんがバイトしてるなんて、全然知らなかった」
オレ、一応恋人なのに。
山本には、そんなオレの心の呟きが聞こえたようだった。
「…だったらさ、確かめてみれば良くね?」
「え…」
驚いて俯きがちだった顔を上げると、山本が目を細めて微笑む。
「だってそれ、ただの噂だろ?本当かどーかもわかんねぇ内からグダグダ言ったってしょーがなくね?」
確かに一理ある。
「もし本当だったら?」
「何で教えてくれなかったのか聞けばいーだろ?」
…聞いたら、ちゃんと答えてくれるのかな。
そんなオレの心配を振り払うかのように、山本はオレの頭を優しく撫でてくれた。
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