スマイル0円。

7/13
前へ
/30ページ
次へ
「え…綱吉?!」 珍しくヒバリさんの驚いたような声を聞きながら、オレは店を飛び出した。 走り続けた。 何処でも良いから、今はヒバリさんの遠くに居たい。 …傍に、居たくない…。 「っ、ハァ…ハァッ、ハァッ…!」 大きく肩で息をしながら立ち止まった。 あの店からは結構離れた所にある、人気のない小さな公園。 とりあえず息を落ち着かせようと、ベンチを目指して歩き始めた、その時だった。 「鬼ごっこはもう終わりかい?」 「?!」 心臓が、止まるかと思った。 振り向いた先に居たのは、紛れもなく、ファーストフード店の制服を着たヒバリさんだった。 「……な、んで…」 何で、居るの。 何で、追いかけてきたの。 お店は、 お客さん、は…。 聞きたい事は沢山あった。 だけど、声が震えて上手く言葉を紡ぎ出せない。  
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

101人が本棚に入れています
本棚に追加