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たった1人の草食動物に振り回されるのがムカつくけど、不愉快ではない。
これが、“好き”という感情か。
そんなもの、僕には必要ないと思っていたのに。
じゃあまた、と遠ざかる君の背中に。
「…何で、君は」
紡ぐ言葉に綱吉は歩みを止めて振り向く。
「何で、君は。僕に話しかけるの」
その瞬間、綱吉の頬が真っ赤に色づく。
それは頬だけには収まらず、耳や首にまで。
…そうか。君も、同じなんだね。
真っ赤になって俯く君を見て思った。
それなら、特別に。
今日は僕から言ってあげる。
「綱吉…好きだよ」
その代わり、返事は1つしか受け取らないよ。
「…オレも、好き…です」
呟くように言った綱吉の言葉に。
甘い甘い、とろけるような微笑みをプレゼント。
君の為の、君だけが見れる特別な笑顔を…君に。
~END~
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