笑顔。

4/5
前へ
/30ページ
次へ
たった1人の草食動物に振り回されるのがムカつくけど、不愉快ではない。 これが、“好き”という感情か。 そんなもの、僕には必要ないと思っていたのに。 じゃあまた、と遠ざかる君の背中に。 「…何で、君は」 紡ぐ言葉に綱吉は歩みを止めて振り向く。 「何で、君は。僕に話しかけるの」 その瞬間、綱吉の頬が真っ赤に色づく。 それは頬だけには収まらず、耳や首にまで。 …そうか。君も、同じなんだね。 真っ赤になって俯く君を見て思った。 それなら、特別に。 今日は僕から言ってあげる。 「綱吉…好きだよ」 その代わり、返事は1つしか受け取らないよ。 「…オレも、好き…です」 呟くように言った綱吉の言葉に。 甘い甘い、とろけるような微笑みをプレゼント。 君の為の、君だけが見れる特別な笑顔を…君に。 ~END~  
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

101人が本棚に入れています
本棚に追加