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「やってられるかよ!!」
ガンッと叩きつけられたラケットは、台の上で跳ねた後床に転がった。他の先輩たちも次々とラケットを投げ捨てる。
「皆大会に出たいなんて思っちゃいねーんだよ」
「やりたいならてめー一人でやってな」
ぞろぞろと体育館を出ていく先輩の姿を、輝一は唇を噛み締めながら見送った。
───卓球はお遊びなんかじゃない。ちゃんとしたスポーツだ。
それをわかっていない彼等とはやっていけない。けど体育館に一人残されて、輝一は縦社会を思い知らされたのだった。
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