2137人が本棚に入れています
本棚に追加
/68ページ
突然の二人の行動に、すごく子供扱いされた気がして、少し腹がたったけど……
口に広がった味はとても美味しくて、そんなことを忘れてしまえるくらいだった。
「拓の料理はあいかわらずおいしいね」
「兄さんのお菓子には負けるよ」
途中、双子のそんな会話も聞こえてきたりもしたが、空腹だった僕は、こんなにも美味しい料理を前にして、食べずにいるわけがなく。
とにかく、無言でたくさん食べ続けた。
やばいよ、拓さん料理うますぎ。
同じ男とは思えないし。
守さんも料理できるって言ってたし。
この人たち凄すぎ。
ってか、正直、なんでこんなところに母さんは僕を追いやったんだろ。
いきなり一人暮らしを薦めたりしてさ。
でも、まぁ、すごく良さそうな人たちだから、いっか。
一人暮らしってのも、悪くないかもしれない。
─そんなことを考えながら、バクバクと料理を食べる僕を見て、
双子は思わず笑みをこぼした。
.
最初のコメントを投稿しよう!