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「…あれ?君、誰?」
一人で階段のど真ん中でへばってると、上の方から優しそうな声がふってきた。
「えッ?」
驚いて立てば、そこには一瞬女かと思わせる程、長く伸ばした髪を垂らしたこれまた綺麗な長身の男が立っていた。
垂らした髪は驚くほど真っ黒で、こちらを見据える細めの目は、髪に似て真っ黒。
それとは対照的に、透き通る程白い肌。
(矢口さん達と並んだら映えるだろうな…)
「あッ、もしかして…君が005に入った、桐山 凍矢君かな?」
いつまでも彼の容姿に見とれていて、名乗らないでいた僕に、彼は思い起こしたようにそう言う。
「えッ…あ、はい。
…あなたは?
というか、なんで僕のこと…ってか、なんでこんなところに?」
わからないことだらけで、首を傾けながら彼にそう言えば、片手で少し顔を隠しながら、「予想以上だな…」と言って、近づいてきた。
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