004 『002』号室

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最初は知らない人に話し掛けられたってこともあって、ちょっと警戒してたんだけど、守さんと仲いいって聞いたから、結構打ち解けてきた。 「ところで永岡さんは、何歳なんですか?」 「今年で21。まだ20だけどね、 それと、私のことは新でいいよ。 凍矢君は…高校生だっけ?」 「え、あッはい!新さん… てか、20!!!??」 「ん?もっと、老けて見えた?」 いやいや、そーいう意味じゃないって… だってさ、新さんがもうすぐ21ってことは、守さんや拓さんも20か21ってことでしょ? そんな年齢で管理人って… 「クスクス…」 「ふぇ?」 横をみれば新さんが口をおさえて笑っている。 「…ごめん、ごめん。 なんか、驚いた顔が可愛くて…」 「新さんまで、可愛いって言う……」 さっき、可愛いって言われたことに腹をたてて長い長ーい階段をおりてきた僕にとって、"可愛い"は禁句だ!! 「みんなして可愛い可愛い言いやがって…」 おさまっていた気持ちがふつふつと、沸き上がってきた… 「あぁ、それで君は…」 そんな僕の様子を見て、新さんはわかったように頷く。
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