004 『002』号室

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「ごめん、ごめん…」 そう子供をあやすように新さんは謝ってから、何か思いついたように立ち上がる。 「こんなとこでずっと話してるのも、なんか微妙だし、 しかも、なんか今は部屋に戻る気にもなれないみたいだから、 私の部屋に来ないかい?」 「え?」 「ちょうど昨日、守がケーキ届けてくれたからね、どう?」 「…ケーキ?」 うぅ……よりによって僕の大好物を。 「行きます!行かせて下さい!食べたいです!」 「食べたいって…」 新さんは一瞬顔を赤らめてから、恐いくらいの笑顔で「じゃ、行こうか」と言った。
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