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    「ありがとう」   「いえいえ。でも正直恐竜の人形で喜んでもらえるとは思わなかった。苦し紛れだったのに。お前変わってるな」   相変わらず無神経な物言いがおかしくて、チハヤはとうとう笑ってしまった。   「あぁ良かった、笑ってくれて。ところでお前の名前何ていうの?俺はユウキって言うんだけど」   「私はチハヤだよ。幼稚園の稚に、早いの早」   「チハヤか。なぁチハヤ、もう少しここで話さない?個室に戻っても退屈なんだ」   それはチハヤも同じだった。 早く戻らないと母に叱られてしまうかもしれないが、散々泣いて気分が落ち着いたせいか、そんな事はどうでも良くなりつつある。 恐らく同じような境遇であろうユウキと色々話してみたい。     まずはチハヤから…両親が離婚したこと、母と一緒に親戚の家で暮らすこと、個室で母とケンカし出てきてしまったこと…全てを話した。    
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