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今回の離婚について、原因はどちらにもあると言えるし無いとも言える。
恐らく結婚するまでお互いに解らなかった相性の問題だった。
「どっちが悪いって訳じゃないのは私も解ってたんだけど。
でも私、お父さんもお母さんも好きだったよ。なのに選べって言われたんだよ」
父か、母。
どちらについて行くか。
母がかわいそうだった。だから一人ぼっちの母の唯一の味方になることを自然に選んだ。
だが、そんなチハヤを母は歓迎してはくれなかった。
「私、それが正しいって思ってたの。でもお母さんは、お金に困ったり、転校しないで済むようにお父さんを選べば良かったんだって。
そういう選び方をすれば良かったんだって」
大切な二つの中からどうしても一つを選ばなければならないとき、何を基準に置くかは人それぞれで。
チハヤは拙い正義を基準に置いて母を選んだ。だが、それを母から否定されてしまった。
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