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おいらの好きな人。
どこかで 幸せでいるならと
そう思おうとした。
それだけ祈ろうと思った
逢えない から。
せめて幸せにと
祈っていたら、
好きな人が夢に出てきた。
雨が降っていた。
その人はすぐそこにいた。
雨の日に、
透明な傘をさして、
セピアの世界で、
不意においらを振り返って、
おいらを呼ぶ声と笑顔は、胸に突き刺さった。
忘れられないすてきな人だった。
あまりにすてきな笑顔に、涙腺が緩んだ。
「久しぶり、元気?」
夢はそこで途切れた。
ねえ、
おいらはさ?
逢いたい。
…逢いたいよ。
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