∽姫としての役割∽

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「‥姫様、随分と苛立っておられるようですね?」           それは、アタシが月白から案内された姫の部屋での月白の一言。         言いながらも月白は淡々と、慣れた手付きで紅茶を注いでくれている。         「当たり前だろ! ‥あんなのが学園の最高機関なら、この学園の秩序が乱れて当然だ!」         それは、アタシは紅茶に口をつけてから暫くして言った言葉。           「否定は出来ませんね」         月白はそれに対して冷静に言葉を発する。         「‥と言うか。 アタシの事は姫様ではなく、響古と呼べ。アイツ等と被ってしょうがない」         「はぁ‥。 ですが姫様は姫様ですので。‥執事がお名前でお呼びするのは厚かましいかと‥」           ‥随分と律儀な執事だな‥。         そう言えば、さっきは制服だったハズだが、いつの間にか高そうなスーツに着替えているしな。       ‥そんな事はどうでも良いか。           「‥名前で呼ばないなら、アタシは一切口をきかない!」           ‥まるで子供だな。         月白はそんなアタシの言葉を聞き、暫く考え込む。         「‥それは、命令ですか?」         命令!? ‥‥この際何でも良いか。           「そうだ」         「‥でしたら、響古様とお呼び致しましょう」         月白は笑顔で言った。         ‥どちらにしても様付けか‥ι
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