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寒い…。
真っ白な雪がふわふわと降って来る。手袋をとって手をひろげてみるとあっという間に溶けて消えていった。
白い地面に、私の足跡が残る。
夜は、昼よりも冷える。
「早く帰ろう…」
私は足を早める。
おにぎりの入った籠に雪が入らないように、体を前に傾けた。
吐く息が白い。
私は寒くて、立ち止まって目を瞑る。
深く深呼吸をして、また家に向かって歩き出す。
お母さんにあげるおにぎりが冷めない内に、届けなきゃ。
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