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地面一面、真っ白の雪。
ふわふわとした雪は、暖かく思える。
街灯が雪を照らして、地面をきらきらと光らせる。
暗闇に白い雪が塗りつぶされて、少し先は真っ暗だ。
ふと、顔をあげると、目の前に男が立っている。
私はびっくりして、一歩後ろに下がる。
「持ってあげましょうか」
「…は?」
いきなりの申し出に、私は目を丸くして少し戸惑った。
男は私の手から籠を取った。
「…ありがとうございます」
「どこまで行くのですか?」
「すぐそこです…あそこの家です」
「そうですか…私の家と近いですね」
「…そうなんですか…」
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