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「ん…んぅ?」
朝6:30
学生にとっては、まだ起きるには早い時間
朔也は自分の寝床に違和感を感じた
「んぅ…、…あれ?…ふとんが…ない?」
寝呆け眼で辺りを見回す
「ん~、…あった」
そこにある物を引き寄せる
「きゃっ」
「…きゃ?」
(…布団から、声?)
身体を起こし、引き寄せたモノを見る
「………。…しあ?」
思考回復40%
「あ、あの、おはよ、朔也君」
それは少し顔を赤らめながら挨拶をする
「…………」
思考回復80%
それは見覚えがあった
「あれ?朔哉君?もしも~し?」
思考回復100%
「うわぁ!し、紫亜!?ご、ごめんなさい!」
「わぁっ!?い、いいのいいの、気にしないで!」
二人は布団の上で狼狽えていた
朔也が引き寄せたモノ…
それは布団ではなく、紫亜だった
「…って、どうしたの、こんな早くに?」
「あ、うん。朝ご飯作ってるんだけど、何か嫌いなものあるかなと思って聞きにきたの」
紫亜は笑顔で応えた
「…朝ご飯?」
「うん」
「作ってるの?」
「うん」
「…誰が?」
「私が」
「…何を?」
「朝ご飯」
「二人して何ループしようとしてるんです?」
「うわっ!?」
「ひゃあ!?」
突然聞こえた冷静なツッコミに二人は声を上げた
「あ、アリス!?」
「い、いつからいたのよ!?」
「二人揃ってオロオロしてた時からですよ」
二人が正座して話していた間、アリスは朔也の部屋の入り口で二人を見ていた
「第一、作ってるのは貴女だけじゃ無いでしょ。それに、早くしないと冷めちゃいますよ?」
「え?何、二人で作ったの?」
「えぇ。ここに住まわせてもらってるんです。その位はしないと」
「まぁ、そうよね~」
アリスと紫亜は笑顔で言った
「え、あ、そうなんだ。ありがとう」
朔也は少し嬉しく思い、礼を言った
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