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「――――」
「――――」
何かを話している、優香ちゃんと小林君。
遠すぎて、さすがに会話内容は聞こえない。
でも二人は、楽しそうに笑っていた。
本当に、幸せそうな笑顔で……。
(ん……?)
ふと気付く。
幸ちゃんが、そんな二人を食い入るように見ていたことに。
……というか、羨ましそうに見ていた。
「幸ちゃん?」
わたしの声に反応して、ぴくっと、幸ちゃんの肩が動く。
そして、ゆっくりと振り向いて……。
「あ……な、何?」
と、小さく首を傾げる。
……二人は、上手くいってるのかな。
幸ちゃんと明島 隆は……。
ちょっと前のバレンタインデーのことを考えると、とても上手くいってないようには、見えなかったけど。
「……ううん、何でもない」
わたしが立ち入ることでもないよね……。
にっ、と歯を見せて笑ってみせる。
すると幸ちゃんは、さらに深く首を傾げた。
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