3 「 恐いよ。」

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今の状況に落ち着きをみせ始めた頃。   落ち着くと言ってもそれは、間違いで。 状況は悪くなる一方だった。   彼女は既に声も途切れ途切れにしか聞こえなくなっていた。 僕も長い眠りについてしまう直前。   桜の花弁は最後の最後。   日差しは徐々に強くなってくる。 季節の変わり目だ。     僕が恐れていた「その時」が直ぐそこにまで来ていた。    
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