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桜が咲き誇る公園で、僕らは出逢った。
彼女は切なげに桜を見ていた。
僕にはその姿が綺麗で儚いものに見えた。
今にも倒れてしまいそうな、そんな気がした。
声を掛けたのは僕が先。
「はじめまして」
彼女は嫌な顔一つしなかった。
僕が話す言葉も、一つ一つ相づちを打って丁寧に聞いてくれた。
僕はそれが嬉しかった。
堪らなく嬉しかった。
それから僕らはよく話すようになった。
空の話をしたり、遠くの話をしたりもした。
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