9月7日

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ここはとある国ジャンポン。 時は西暦2017年の夏真盛り。 あび政権の政治不信から10年。 凶悪犯罪も多発し、10年前に執行待ちであった103人の死刑囚の人数もここ数年で200人を越えようとしていた。 死刑判決に執行が追いついていない。 世界的に死刑廃止論が高まる中、その狭間にいたジャンポン。 事件はそんな時に起こった。 9月7日の夕方 「パパお帰りぃ!」 6歳になる息子だ。 『元気にしてたか?』 長期出張から戻った我が家はやっぱり落ち着くな。 『健人、ママは?』 「ママ スーパー 買い物 夕飯 行ったよ!」 相変わらず変な日本語を使う息子。 脳内変換も愛情のひとつだ。 『そうか留守番か。そろそろ健人の好きな覆面ライダーの時間だな。一緒に見るか?』 「みるぅ~」 スーツのまま居間に行き、ネクタイを外しながら 『健人、なんでそんなに覆面ライダーが好きなんだ?』 「だって 覆面ライダー強いんだよ!それに・・・あーはじまったよ!」 その移り気のある心はママの遺伝かい?パパの遺伝かい? 15分も経っただろうか。 突然、テレビが消えた。 「パパ! 怪獣消えたよ!」 『そうか。覆面ライダー強いな。』 「覆面ライダーも消えたよ!」 『そうか。今日の怪獣は強いな。』 携帯でニュースを読んでいた。 だが、電波も急に悪くなった。 圏外だ。 テレビも砂嵐が写っていた。 息子はただ呆然としていた。 何があったんだ!? そういや妻の帰りも遅いな。 何故か不安になった私は妻を迎えに行くことにした。 『健人、パパはママを迎えに行ってくるよ』 「ぼくも行くぅ~」 『健人はお留守番してな』 「え~!?ぼくも行くぅ~」 『ママ帰ってきた時、健人が居なかったら寂しがるだろ?』 「ん~・・・そっかぁ。んじゃぼく待ってるね」 私は足早に優子が行ったはずのスーパーに向かった。
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