狂おしい程の愛

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10月22日(日)晴れ 今日は親友だった男の家に行ってきた。 遺品を整理したさいに見つかった、私の私物。何年も前にヤツに貸して無くされた、前世紀のCDの回収のためだ。 家には親友の彼女だった人も来ていた。 彼女は、葬式から毎日、といってもまだ二日だが、ここと墓場に通っているらしい。 叔母さんに誘われ、彼女とともに昼食をご馳走になった。 三人共通の話題などヤツのことしかありはしない。 必然、会話もそれに関連してくる。彼女たちはしはしば顔を伏せ、目尻を拭っていた。 昼食後、彼女とともにヤツの墓に参った。彼女は沈痛な面持ちで、テキパキと掃除をしていった。 私はどうしてしまったのだろう。 今日1日、ヤツの事を考え、彼女の沈痛な面持ちを眺めている間。 自分が、おかしな事を考え、欲情するのを、止められなかった。
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